Chordia asset GCN2 inhibitor CRD-1968099

GCN2に対して高選択性を有するCRD-1968099は、ファーストインクラスの経口投与可能なGCN2阻害剤です。
現在、非臨床安全性試験を実施中で、2023年の第1相臨床試験の開始を予定しています。
CRD-1968099は、異常なtRNAの蓄積を介して過剰なRNA制御ストレスを追加することにより、非臨床モデルにおいて抗腫瘍効果を示すと考えられます。
CRD-1968099は、異常なtRNAを誘導することに加え、腫瘍免疫を担うT細胞機能を抑制する骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)を排除することにより、抗PD-1抗体等の免疫チェックポイント阻害剤の腫瘍免疫効果を強化する可能性を有しています。

-アミノ酸欠乏による異常なtRNA蓄積

生物にとって重要な栄養素の一つであるアミノ酸はtRNAに結合しタンパク質合成の場であるリボソームに運ばれて、タンパク質合成が行なわれます。
アミノ酸が欠乏した状況においては、アミノ酸非結合型の異常tRNAが蓄積されます。腫瘍が置かれる微小環境においては、異常血管の発達により血液供給が不十分になり、アミノ酸などの栄養素の欠乏が引き起こされています。
従って、がん細胞はGCN2キナーゼを利用して栄養素の欠乏状態を感知し、異常tRNAの蓄積を回避し適応しています。

-General control nonderepressible 2(GCN2)キナーゼ

GCN2は、アミノ酸が欠乏した状況において蓄積するアミノ酸非結合型の異常tRNAと結合することにより、アミノ酸欠乏を感知するセリン/スレオニンプロテインキナーゼです。
アミノ酸非結合型のtRNAの蓄積とこれに引き続くGCN2の活性化は、基質であるEIF2αのリン酸化を介して、アミノ酸の取り込みと新規合成を促進しアミノ酸欠乏状態を回避しています。
アミノ酸欠乏下でのGCN2の阻害は異常なtRNA蓄積を導くことにより、RNA調節ストレスの原因の1つになると考えられます。

-GCN2阻害剤によるがん免疫療法の増強

GCN2は、抗腫瘍免疫の重要な抑制因子としても機能していると考えられています。GCN2の阻害は、腫瘍免疫に対して抑制的に働くMDSCの機能を抑制するため、CD8+T細胞による抗腫瘍免疫を増強しうる可能性を有しています。