CLKに対して高選択性を有するCTX-712は経口投与可能なファーストインクラスの汎CLK阻害剤です。
CTX-712は、標的であるCLKキナーゼによるセリン/アルギニンリッチ(SR)タンパク質のリン酸化を阻害し、主としてスキップドエクソン型のスプライシング異常を誘導することで異常RNA蓄積を誘発するため、過剰なRNA制御ストレスを発生させると考えられます。
これまでに複数の非臨床モデルにおいてin vitroにおけるがん細胞死、あるいはin vivoにおける抗腫瘍効果を引き起こすことを確認しています。
CLKキナーゼは、基質であるSRタンパク質をリン酸化します。
CLKによってリン酸化を受けたSRタンパク質は、RNAスプライシングを担う分子として、スプライシングにおける特定のエクソンの認識を促進します。
CLKは、CLK1、CLK2、CLK3、およびCLK4の4つのファミリーメンバーによって構成されます。
SRタンパク質はRNA認識ドメインと、スプライシング中のタンパク質間相互作用に必要なSRドメインによって構成されています。
CLKを含むいくつかのタンパク質リン酸化酵素群がSRタンパク質をリン酸化することが知られており、リン酸化されたSRタンパク質は正常なスプライシングを促進します。
遺伝子発現の重要なステップであるスプライシングは、非コード配列(イントロン)が除去された後にコード配列(エクソン)が連結される、RNA成熟プロセスの一部です。
スプライシングは、複数のスプライシング因子から構成されるスプライセオソームによって触媒されます。